小さなシステム開発会社に勤めるLGO2さん。現在、ある会社に派遣され、常駐して作業を行っています。この会社は、あるプロジェクトの作業ボリュームが膨らみ、自社で処理しきれなくなったため、初めて「外注」を受け入れたのだそうです。
■陰で外注の悪口「扱いづらい。どっか行け」
ところが、この会社のプロパー社員は、助っ人であるはずの外注社員の存在を快く思っていないようです。外注社員が休憩所やトイレの個室などにいると、陰でボロクソに文句を言っているのが聞こえてきます。
「こっちは社内業務で忙しいのに、あいつらは高い金もらってる癖に使えない」
「フィーリングが判ってくれないんだよな」
「扱いづらくてしょうがないから、どっか行って欲しい」
外注社員から電車遅延の連絡があると、「本当に遅延なのかよ!ウソくさ!」とわめいたり、外注作業にミスが見つかると、「何回言ってもダメだから、うちの新人にやらせればいいのに」と、これまた聞こえるように叫んだりします。
しかし、プロパーにも勤怠状況がひどい人がいるし、文章のミスも連発しています。外注への指示も雑で、重要事項を何か月も知らせなかったり、作業予定を聞いても面倒くさがって投げやりなメモ書きで作業を振ってきたりする始末。質問への回答があいまいなので、自分で調べてみたら間違っていたことも珍しくありません。外注の成果物は一切チェックせず、提出したものをそのままクライアントに渡しています。以前ならこんな客先、早々に撤退していたはず。
しかし、不景気で会社が減収しているいま、会社に状況を説明しても、「次の仕事が見つかるまで、そこでなんとか続けられないか」といわれるばかり。LGO2さんは、やり場のない不満を、Q&Aサイトの教えて!gooで打ち明けました。
「景気さえよければ、こんなところに来なくて済んだのに・・・」
■「ダメな社員のお陰で技術も実績も積める」
回答者のdeepdiver555さんは、最近はそのような会社は「多い」と答え、その上で「そういった風評を甘んじて受けるのが外注というもの」と言い切ります。しかし、問題は外注側にあると考えているわけではないようです。
「プロパーだからそうなってしまうかというと、そうではありません。ダメな上司、ダメな会社がそういう育て方をしてしまっているのです。言い方を変えれば、まっとうな教育を受けておらず、仕事とは何かを知らない洗脳された被害者とも言えます」
さらに、「ダメな社員のお陰でお金も入り、技術も実績も積める。こんな素晴らしい事ないです!(笑)」とまで言います。そう考えないとやり切れないところもありますが、確かにきちんとした進め方ができる会社なら、自力でやり遂げられた仕事なのかもしれません。
とはいえ、十分に注意しなければならない点があると指摘します。それは「責任の所在」を明確にすること。その上で、原因が社員にあっても、文句を言うだけでなくトラブルをカバーすることができれば、外注部隊の株も上がるといいます。
「彼らは頼れる、使える」という評価を獲得すれば、今後のいいお得意さんになるかもしれません。もともと頼りないプロパーたちなのだから、その可能性は開かれているともいえるでしょう。
デフレの影響で、どの外注先にもコスト削減の厳しい要求が突きつけられていますが、「ぬるい会社でやってきた人は、所詮はそこでしか生きていけない」(deepdiver555さん)という言葉は、ひとつの支えになるのではないでしょうか。